日本 vs アメリカ

感想「なぜ男女の賃金に格差があるのか:女性の生き方の経済学」

原題は「キャリアと家族:平等を目指す女性の1世紀にわたる旅」となっており、様々なデータを駆使しアメリカ女性を5つに分類しコーホート分析しています。 分類は厳密で、各世代を一般化しうる基準が示されており、例えば「マリッジバー」により既婚女性が合…

女の子のエンパワーメントをテーマにしたオンラインセミナー

バービー人形のマテル社がアメリカで行った調査では、幼児期に既に男女で持つ「将来の夢」にギャップがあることが分かったそうです。 幼少期の家庭・幼稚園・保育園・地域における関わりがジェンダーバイアスを生み出し、子ども達の意識に影響を与えているこ…

16年ぶりのミシガン・夏休み

夏休みを2週間ほど取って、ミシガン州アナーバーに滞在しました。16年前に留学していた時以来、久しぶりです。相変わらず豪華な建物がたくさん建っている大学町で、公園の中に住んでいるような感じ。 かつて街のメインストリートにあって、とても好きだった…

『ハーパーズ バザー』オンラインセミナーでお話しました

世界29地域で発行されているグローバルな女性誌「ハーパーズ・バザー」のウェブセミナーで塚本香編集長と一緒に「ジェンダー」と「制度」の問題についてお話しました。 www.harpersbazaar.com 特に「交差性」の問題などを扱い、女性も一枚岩ではないこと、社…

アメリカ黒人女性によるフェミニズム本、日本語版解説を書きました

アメリカでベストセラーになった"Hood Feminism"の日本語版「二重に差別される女たち」(ミッキ・ケンダル著)の解説を書きました。 著者はシカゴの貧困地域で生まれ育ったアフリカ系女性。自身は大学進学し作家として成功しています。人種の視点から、白人…

TBSラジオ荻上チキさんの番組で「ヒットドラマをジェンダーで見る」についてお話しました

ジェンダー視点で見る日韓欧米のドラマについて、TBSラジオ荻上チキさんの番組でお話しました。 www.tbsradio.jp

弱気な大統領を描く米政治ドラマ「サバイバー」のレビュー記事を書きました

ジェンダー視点でドラマを見るnote連載、米政治ドラマ「サバイバー」のレビュー記事を書きました。「24」で対テロリスト工作員を演じたキーファー・サザーランドが、大統領役を演じています。しかも、弱気で自信がない設定で大変面白いです。 shinsho.kobuns…

Vogueウェブ版書評「ある奴隷少女に起こった出来事」

ダイバーシティやサステナビリティーをテーマに扱うVogueウェブ版のCHANGE欄に書評を書きました。 「ある奴隷少女に起こった出来事」は著者の体験をもとにした実話です。奴隷制度のもと「もの」として扱われた黒人女性奴隷が直面した性暴力に、主人公がいか…

サンリオのBLM支持tweetの背景にあるものについて現代ビジネスに書きました

アフリカ系アメリカ人に対する構造的な差別と警察・司法における不利益取り扱い、それが命を奪っている状況について、Black Lives Matterを掲げるデモが広がっています。 Amazon、シティ・グループ等は経営者がこれに賛意を表しており、日本企業ではサンリオ…

名古屋青年会議所主催、ジェンダー平等&女性活躍のシンポジウム

名古屋駅前のホールでジェンダー平等のパネルディスカッション。 www.nagoyajc.or.jp 基調講演では、古市憲寿さんが、共働き当たり前社会やジェンダー平等、保育義務化による母親の負担軽減&虐待防止など、正論をユーモア交えてお話しました。会場からあら…

書評『父親の科学』、共同通信の配信で地方紙に掲載

『父親の科学』はAP通信科学デスクだった著者が多くの研究から父親の役割、意義を示した興味深い本です 8月中旬、共同通信社に書き送った『父親の科学』書評が、月末から9月初旬にかけて、全国の地方新聞に掲載されました。 共同通信社文化部で担当下さった…

東京都国立市で「変わりゆく憧れのプリンセス」について講演

くにたち男女平等参画ステーションでディズニープリンセスの変遷とジェンダー規範の変化についてお話しました。 kuni-sta.com 同じディズニープリンセスでも「白雪姫」と「アナ雪」では主人公の描き方、人生の目的、王子様の役割が全く違います。長寿グロー…

マイケル・ムーア監督「華氏119」観てきました

小学4年生の息子と一緒に。 トランプ批判の映画で今月初めの米中間選挙前にあえて公開した…という前評判だけ知っていたのですが、予想外のファクトが次々出てきてビックリ。 gaga.ne.jp そもそも政治・行政経験のないトランプが、なぜ大統領選に出馬したのか…

ヒューストンから車で3時間ほどかけて、サンアントニオへ。

途中、休憩を取ったサービスエリアのようなお店。リスのマークが目立つ広い店舗です。日本の感覚だと2.5倍くらいの大きさのコーヒーなど「アメリカらしさ」を感じました。午前中はテキサス大学サンアントニオ校。学長やプロボストと呼ばれる大学マネジメント…

8ヶ月間におよぶアメリカ女性の再就職活動を追ったルポ。

ワシントン・ポスト・マガジンの記事とNPRのインタビューを読める&聴ける。 3人の子どもを育てるために仕事を辞めて17年間、主婦をしていた女性が、再びフルタイムの弁護士として働き始める。 辞めたきっかけは、育児(子どもと一緒にいたかった)。夫の収…

育児でいったん仕事を辞めてしまうと、再就職はとても難しい。

海外でも事情は同じだが、アメリカではもう少しましなようで、だから、再就職「した後」の注意が話題になる。WSJの記事では、そういう母親たちの実情が描かれている。 仕事を見つけるのが難しいこのご時世に、何とか再就職した母親たち。一番困るのはやはり…

ズライコさんからメールがきた。

南フロリダ大学の女性学会議で知り合ったタジキスタンの文化人類学者だ。2007年2月のことで、当時は彼女も私も、フルブライトでアメリカに滞在していた。今、彼女は再びアメリカにいるそうだ。2人の子どもと一緒にワイオミング大学で研究中とのこと。 フロリ…

最後のアメリカらしい経験はデトロイトの空港職員であった。

荷物検査のためパソコンや金属類を取り出し、靴を脱ぎ・・・準備をしていたら「Smile is required」と制服姿の男性が言う。思わず笑ったら「みんな、ここでは真面目すぎる」と一言。 テロ対策のため始まった検査だから、真面目なのは当然だ。よく見えるところに…

私が住んでいるAnn Arbor市はとても安全だ。

人口は10万人強と少ない上、ほとんどが大学関係者。世帯収入は1000万円を超えていて裕福なので金銭目当ての暴力犯罪について耳にする機会もない。 でももちろん、アメリカの他の地域では怖いことが色々と起きている。 それを実感させられたのが、昨日見たメ…

米国には色々な大学ランキングがある。

中でもいちばん有名なのはU.S.Newsが行っているものだ。5月25日付の"The Chronicle of Higher Education"は、このランキングを巡る議論を特集している(写真)。 ハーバードやプリンストン、MIT、スタンフォードといったトップ校は今さら気にする必要はない…

この街では"世界の料理アメリカ版"に事欠かない。

日本食も中華料理も現地化されている。美味しいものを食べ慣れた日本人は「何か間違っている」と思うだろう。以前、日本のラーメン屋がある、と聞いて車で行ってみたら、とんでもないインスタントで仰天した。しかも行列が出来ている。こんなの日本だったら…

米国のサービス業界で働く人の生活は厳しい。

昨日はホテル、レストラン業界で働く人の労働組合UNITE HEREの職員採用担当者マルコス・エスコバールさんに話を聞いた。組合員数45万人。これはホテル業界で働く人の8〜10%に相当するそうだ。 南米系移民の人が多い。仕事はきつく、収入は低い。時給は地域ご…

昨夜は外国人学生対象の「米国における納税」ワークショップ(写真)に出た。

ややこしいと聞いてはいたが、これは本当に面倒そうだ。私が申告すべきはフルブライトからの奨学金。奨学金は米国務省の拠出で税控除の対象となる。控除される(税金を払わなくていい)場合でも申告しなくてはいけないのが面倒だ。 課税の範囲も米国滞在期間…

すでに色々なニュースで取り上げられ、こういう発言を批判する立場にある人はあらかた批判しつくしている。今さら感があるけれど、一応、意見を記しておきたい。

日本を離れているためか、第一報を聞いたとき全く驚かなかった。むしろ「これのどこがニュースなの?」というのが正直な感想。これまでも政治家による女性差別発言は山のようにあった。「産まない女に年金は払わなくていい」とか「バアさんは有害」とか。 ア…

話には聞いていたが、こちらの大学生は本当によく勉強する。

大学図書館は24時間開いていて、0時近くに行っても空席がほとんどない。キャンパスに隣接したカフェでは分厚い本を読んだりリポートを書いている人の姿が多く見られる。学費が高い上、卒業後も大学時代の成績があらゆるところについて回るためだという。 教…

大学が学生に提供するのは講義と単位だけではない。

文化やスポーツなど学業とは直接関係がない活動への支援も充実している。先週金曜の夜はキャンパスに隣接した美術館で写真展が無料公開された(写真)。フォードの工場をモノクロで撮影した写真を見ながら、お寿司やフルーツなどを食べつつ学生同士でお喋り…

今夜はメサイアを聴きに行った。

キャンパス内のホールで開かれている毎年恒例のコンサートだ。交響楽団とコーラスは地元の人々。そこにプロの4人の歌手が加わる(写真)。演奏時間は2時間半と長かったが手元のパンフレットで作曲当時のエピソードを読んだりしながら楽しんだ。コンサートは…

昨夜、グーグルがミシガン大の学生をリクルートにやって来た。

経済学部博士課程に所属する連れ合いに招待メールが回ってきたので、私も一緒に見に行った。会場は経済学部から歩いて3分ほどのところにあるゲームセンター(写真)。キャンパス内にはイベントに使える豪華な施設がたくさんあるのに、あえてゲーセンを選ぶと…

アメリカの方が良いなと思うこと。

食料品や日用品の買い物のため、6種類ほどのスーパーによく行っています。中でも自宅からクルマですぐのところにあるBusch'sという店は、広さも手頃で野菜を量り売りしているので頻繁に利用しています。他の店では見つけるのが難しい普通の牛乳を買えるのも…

アメリカの大学教授はリッチだ。

今夜は連れ合いが経済学部の教授が主催するライブに招かれていたので、一緒に行った。 演奏は教授や博士課程の学生などで編成されたロックバンド、観客は同様に教授や学生、その家族など。ボーカルの女性の声に迫力があり、ビールを片手に聴いているとリラッ…