W20の舞台裏:地味に、誠実に協力する女性たち

昨夜もW20アメリカ代表2人と金融分野の共同声明文書について、電話会議。ひとりは女性起業家支援の仕組み構築を30年以上前からやってきた人、もうひとりはジェンダー投資の専門家。何より心強いのはW20運営委員で社会起業家の石本めぐみさん。東北の震災復興支援と女性エンパワーメントのプロです。

今、私たちが取り組んでいるのは文書を説得的にするための構成や言葉選びや、過去のG20共同声明に基づいた書きぶりをどうするか、という徹底的に実務の話でお祭り要素は皆無です。

W20の目的は、G20に対して女性視点の政策をどれだけ反映させるか。そこは男性主導、経済界優位の世界で戦略が必要です。一方、20カ国の経済状況はまちまちなので、先進国の視点だけで書くと、新興国のW20代表者から厳しく批判されます。戦略とインクルーシブな視点のバランスがないと支持を得られないので、意思統一の作戦会議が欠かせません。

アメリカの2人と私は会ったことなくてずっと電話とメールでやり取りしてますが、すごくサポーティブで自分が取り組んできた分野についてイチから説明してくれたり、国際潮流を踏まえて今年はこれをやるべき、と話してくれます。議長国である日本の運営委員会の意向を尊重しつつ提案するコミュニケーションは、ありがたく、かつ勉強になります。

名前でGoogle検索すると、2人ともたいへんな実績があるし、たぶん私の母と同世代くらいの偉い人なんですが、すごく丁寧で親切、そして締切が迫ってるため、週末の時間を割いて色々サポートしてくれています。私も30年後に、こういう感じになれたらいいなあ、と思う。

ちなみに、親切なのはアメリカだけではなく、前年のG20議長国だったアルゼンチンのW20運営委員会メンバーも親切で、いろんな文書を「これ、手直しして使っていいわよ」って引き継いでくれました。韓国や英国の代表者は金融市場に詳しく、いつも数字と共に説得力ある提案をしてくれます。

母語じゃないし、遠くに住んでるから会って話すのは難しくても、ゴールを共有できて、親切・丁寧な人たちが集まると、本当に物事が進むものだなあ、と感心します。

W20サミットは、基調講演にマララ・ユスフザイさんが来ることになり、とても華やかな仕立てになっています。

それはそれとして、実務的なところで色んな国の女性専門家がいかに協力したか、という話を後でどこかに書こうかなと思っています。