ディズニープリンセスアニメ映画「ラーヤと龍の王国」

 小学生の娘と一緒に見てきました。とても良かったです。近年のディズニープリンセスの集大成という感じ。ラスト近くで娘が「もはやディズニーではないね」とつぶやきました。
 

www.disney.co.jp

 

 王子を待つ姫=ディズニープリンセス映画のイメージは皆無です。男性像も良い。
 お話の骨格は「失われた世界と人々を奪還するため冒険に出る強い姫」。90年代の「ポカホンタス」「ムーラン」から30年間、ディズニープリンセス映画が継続してきた試みですね。
 「ラーヤ」の舞台は東南アジアで、タイ、ヴェトナム、インドネシア風の自然や街並みが描かれます。不思議な動物達も。冒頭から強い姫であるラーヤ、シングルファザー家庭、父親レシピの料理といった場面が次々出てきて、性役割を超越していることを視覚的に伝えています。
 ジェンダーステレオタイプの打破はもはや「当たり前」であって「描くかどうか」は問題にならない、そんな前提で描くテーマは「平和構築」でした。ディズニーお得意の「信頼」の難しさと強さを、上手に描いています。
 伝説の龍がおそろしくも無口でもなく、楽しいキャラクターなのは、実写版「アラジン」のジーニーを想起。社会と世界の分断、手の施しようがないと諦めそうになる今、この主題を描くのは、さすがディズニーだと思います。
 舞台イメージとして使った「東南アジア」のコミュニティーにおける取材その他の役割を担った人の名がエンドロールに出ていました。現地といかにコミュニケーション取ったのか制作過程も知りたくなります。