朝日新聞デジタルの取材にお応えしました

 こちらの記事にコメントしました。伊藤忠商事が社員の出生率を公表し「女性活躍」の指標とすることに様々な意見が出ているという報道です。

 

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 記事中のコメントに2つ補足します。

(1)「女性活躍」の指標なのか?
 出産後、女性が退職せず就労継続できるのは望ましいですが、それは「マミートラックありますよ」指標かもしれません。手厚い育児支援で同社の女性従業員が例えば残業ゼロで就労継続して家事育児を一手に引き受け、他社勤務の夫がそれにフリーライドする格好で昇進する、という構図かもしれません。
 「女性活躍」の指標はあくまでも、管理職女性比率や従業員全体の男女賃金格差で見るべきでしょう。
 
(2)この種、数値を「測ること」と「公表すること」は違う
 経営陣が自社の人材マネジメントの成否を見る上で参考になるから、測るのはいいと思います。一方、それを公表すると「産め」「早く帰って子づくりせよ」と言われている「かのように」受け止められる。
 ポイントは、会社側にその意図があるかどうかを問わず、雇用主は権力を持っており、その発信する情報は規範形成力がある、ということです。
 今後、同種の数値をKPIにと考える企業の参考になればと思います。