ミシガン大学の美術館(The University of Michigan Musiam of Art: UMMA)で日本の作家によるジェンダーをテーマにした写真展をやっていて、そこで見た岡田裕子さんの作品"俺の産んだ子"に衝撃を受けた。「子宮移植手術を受けた男性が出産する」という設定で、映像、写真、模型など数種の作品を展示している。
あまりに平凡な表現になってしまうが、とても面白かった。「ぜひ、見るべき」と人に勧めたくなる作品たちだ。言葉で説明すると「ジェンダーフリー推進」とかに見えてしまうが、これはそんなに狭いイメージで語れるものではない。むしろ、これを見た後では、ジェンダー問題について、あれこれ理屈をこねるのが馬鹿らしくなる。「"女性は"産む機械」の類の保守発言もしかり「"女性は"差別されている」というリベラル好みの主張もしかり。もちろん私が前日に書いたようなことも含めて、どれもどこかで聞いたことがある手垢のついたものの見方に思えてくる。
作者がどんな人か知りたくてネットで調べてみたら、ご自身も現役の主婦だそうだ。2年前に東京で新作の展覧会があったらしい。行きたかったなー。次はいつだろう。
この展示は私より一足先に連れ合いが見て「これすごい、早く見てみろ」と興奮していた。ふだんは何かを読んだり見たりしても、割と厳しい感想を述べるのだがこれに関しては絶賛。男性にとっても面白い展示のようだ。