キャンパスの中心部に位置する建物の1階は学生であふれていた。最初に記帳をすると、数箇所に置いてあるりんごジュースとクッキーを手に、部屋の中を見たり学長と話すための長い列に並ぶ。学長と話す学生の様子(写真)を大学新聞の "Michigan Daily" が取材している。
学長はメアリー・スー・コールマンという女性。ノースカロライナ大学で博士号を取得した生物化学者で、19年間ミシガン大学で働いてきた。2002年8月から学長を務めている。
間近で見るとチャーミングで、華がある人だ。
人気の理由は若い学生たちのミーハー心をくすぐるだけでなく、リーダーシップを感じるためだろう。ミシガン大学は学生の入学に際し積極的是正措置(affirmative action)を取っている。歴史的に差別され不利な立場に置かれてきた人々(主にアフリカ系アフリカ人)を優先的に入学させる制度だ。この制度のためにミシガンのロースクール入試で不合格となった白人女性が、逆差別だとして訴訟を起こした。訴訟は連邦最高裁まで行き、全米の注目を集めた。
この時コールマン学長は、多様な(人種や国籍の)学生がいることが良い学習環境をもたらすという観点から、積極的是正措置擁護の論陣を張った。大学のポリシーや進むべき方向性を明確に示す姿勢が、若い学生たちにも伝わるのだろう。