経済学者としては珍しい発想


実は経済学者の通説は「子どもを持つのはコストに見合わないから、少子化は当然」というもの。結婚や人口問題の経済分析で知られるシカゴ大学のゲイリー・ベッカー教授(ノーベル賞とってます)が代表例です。「経済学者のアイドル」であるベッカーに異を唱えるのは勇気がいるんですよね…といったことをユーモア交えて書いている下りがあって笑えます。著者はそのくらい、異説を唱えているのです。


ところで「もっと子どもを持つといいですよ」と勧めつつも、本書の論理展開は独特です。ふつうなら「政府はもっと育児支援をすべし」と続くところですが、著者はリバタリアン。小さな政府を好みます。だから政府には全く頼らず個人の行動変革を促します。