3)完全な福祉

児童虐待の防止や育児鬱への対策がこれに該当します。

このレベルの問題に対応するため、税金を投入することを嫌がる人は、そうそういないでしょう。


予算の制約や社会の意識によって、提供されるサービスは異なりますが、最近、少しずつ変わってきている感じはします。私が住んでいる自治体には、幼稚園入園前までの子どもが誰でも使える屋内遊び場があります。広くてきれいで玩具もたくさんあり、授乳室なども充実しています。先日、下の子を連れて行ってみたら、上の子を連れて3年半前に行った時より、スペースは広がり、職員の方の対応がさらにきめ細かくなっていました。


やたらと親切で親身になって歓迎してくれるのを見て、これは、育児ノイローゼになりそうな母親への配慮なんだなと思いました。


長々と書きましたが、1)〜3)では、少しずつ、でもだいぶ違うと思いませんか。ひとくちに「育児支援」とか「働く母親支援」といっても、ある課題の解決には規制緩和など市場主義的対応が、別の課題については財政支出の拡大という大きな政府的な対応が望まれる。母親の課題、働く母親の課題を本当に解決するためには、課題の構造をひとつずつ解きほぐしていく必要があると思います。何となくぼんやりざっくりと「女性の社会進出」とか「育児支援」とかを論じていても、当事者には役に立たないのです。