2)公共サービス市場

利用者の自己負担に加えて補助金が入っている市場、例えば認可・認証保育園がこれに該当します。


私自身はあまり賛成しませんが、待機児童解消のためには、補助金をカットして保育園の利用料金を上げれば良いという考え方もあります。現在の自己負担額は必要コストの数分の1、残りは補助金で賄われています。補助金があるせいで、自己負担額が安くなりすぎ「この価格なら自分も欲しい」という人が列を作ってしまう、という発想です。


保育園不足問題への取り組みは、社会が子どもをどう位置づけるかによって違います。もし、子どもは社会の未来を作るから、皆で支える…と考えるなら、親だけでなく社会のお金=税金を使って保育園を運営するのが良い、という結論になる。一方、子どもを作るかどうかは完全に個人の問題と考えるなら、育児は自己責任、保育園に補助金はいらない、という結論になるでしょう。


保育園が足りない、待機児童が何万人…という報道を見るたび、そもそも、子どもは社会にとって何なのか、子育てコストはだれが負担するのか、根本の議論をもっとすべきだと思います。ちなみに、社会が子育てコストを負担しない場合は、今やっているように現役世代がリタイア世代を支える賦課方式の年金を正当化することはできませんよね。