「おかや市民のつどい」にて「仕事と育児、どっちを選ぶ? 両方できる?」というテーマで基調講演をしました。



その後、岡谷市および近郊にお住まいの方々が登壇するパネルディスカッションで司会をつとめました。これが、とっても面白かったです。登壇者は、地元信用金庫で管理職として働きながら子育て中の女性、Uターン起業した女性、そして専業パパとして育児に取り組む男性と、シングルマザー雇用で先端を行く企業の経営者(男性)。男女2名ずつ、違う立場からの話を聞けました。


ふたりの女性の経験談は、私も会社員と自営業をしつつ子育てしてきたので、共感するところが大きかったです。あらためて、働く母親の抱く感情(仕事は続けたい、子どもとの時間をもちたい、せっかく働くなら社会の役に立つことをしたい等)は地域を問わず、共通点が多いなあと思いました。


専業パパのお話はとても素敵でした。ちょうど結婚・出産時期に勤務先の会社が解散になってしまったため、家庭に入ることを決意。新生児から幼児まで育児と家事をひとりで担ってきました。お話ぶりがとても自然だったのが印象に残りました。


保育園のお迎えもお母さんが多いという土地柄、平日昼間に子どもと遊んでいるお父さんは少なく、パパ友は「いないですねえ」と言います。ただ、それを嘆くこともなく諏訪湖が近いので、湖畔を子連れで散歩していると、お年寄りがよく声をかけてくれます。『可愛いねえ』とか。癒されますね」。実は彼をこのイベントに誘ったのは、地域で育児支援に携わるシニアの女性でした。世代を超えて「お友達」を作ることができる力に感心しました。都市部でもこういう風に地域の人がつながったらいいなあ、と思います。


シングルマザー支援の最先端企業はリバーゼメックスという医療機器メーカー。社長の西村幸会長のお話は説得力に満ちたものでした。採用面接時に家族のことなどは聞かず、その仕事をする能力があるかどうか、だけを見ていたら、優秀なシングルマザーが集まった…と西村会長は言います。同社は厚生労働省から、平成26年度はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰を受けました。ここには、今の日本の課題を考えるためのヒントがたくさん詰まっている、と思いました。