私にとってそれは、家事代行。


育児支援と呼ばれるものの多くが「子どもを預かる」サービスを指すことに、少し前から違和感を覚えるようになった。保育所やベビーシッター、病児保育室や病児シッターは、働く親にとって必要不可欠だ。ただ、子どもを預かる時間をひたすら長くすることが「育児支援」であるかのような言説には賛成できない。


我が家のように家族が健康な場合「子どもを預かってくれる」保育所やシッターサービスは、育児支援というより「就業支援」という感覚が強い。保育所に関しては、幸い、かなり質の高い保育を手ごろな費用で受けることができていることが、2人目をもつ強い動機づけとなったけれど、これはまた別の機会に書きたい。


わずか数カ月の育児休業中に、期間限定で主婦をしてみて感じたのは、子どもに関わることは、なるべく自分でやりたい、ということ。0歳児と3歳児と一緒に家でのんびり過ごすのは楽しい。みんなで寝転がって、3歳が私のスカートのすそに潜り込み、0歳が胸元に乗っかって笑っているうちに昼寝に入るのは至福。2人とも元気であまり手がかからないこともあるけれど、彼・彼女らと共に過ごすことは喜びである。


…こういう状態にあるPrimary Caregiver(あえて母親とは書かない)にとって、何がいちばんありがたい育児支援かというと、子どもを預かったり見ていてもらうことではなく、家事をやってもらうことではないか。


上の子の育児休業から復帰してしばらくの間、仕事から戻り保育園で息子を連れて帰ってくると、手を洗って即、夕食のしたくをしていた。子どもは遊んで欲しがるし、私も子どもと遊びたいが、まずはお腹を満たさなくてはならない。かくして、危険防止のためキッチンとリビングの間を仕切った柵越しにワンワン泣く子どもを横目で見ながら、料理に取り掛かることになる。


遊びたいのに遊べない。親も子どももストレスが溜まる。今、ここにおとぎ話の妖精が現れて、お米をといで、野菜を切って煮て、魚を焼いてくれたら! 40分もあれば夕食はできるだろう。その間、子どもに絵本を読んであげられるのに。


3年前とある縁で知り合ったお料理上手な方に夕食つくりをお願いした。帰宅してみると野菜たっぷりの料理が5品もできている。取り分けたり温めるだけで家族が食卓につくことができる。これまで「待ってて」と言い続けていた数十分を子どもとのんびり過ごせる。3時間8000円強と決して安くはないけれど、家族3人が3回分弱、食べられる量をまとめて作ってもらっているので、外食と比べてもお得感がある。


共働き子育ても4年目を迎え、掃除はルンバ、洗濯は全自動洗濯機に任せることで、かなり省力化してきた。子どもとの貴重な時間をこれ以上減らしたくない私にとって、家事時間を減らすことに役立つことが、育児支援と感じるのです。