同性カップルについても考察


男性にも育児はできる、ということなら、類書はあまたあるだろう。本書の記述がもう一歩「深い」のは、同性婚カップルの育児について厚くページを割いているためだ。同性カップルにおいて、主に育児を担う側とそうでない側の心理状態の違いなどを描写することで、父親/母親という違いだけでなく、性別の違いがどこまで本質的なものなのか、考える手がかりを与えてくれる。


もはや一部の父親にとっては大きな喜びを伴う「仕事」であり「責任」になった育児。オムツ交換台が男性トイレになくてがっかりした経験がある人。「よく手伝いますね」と言われて「手伝いじゃないから!」と怒りを抑えたことがある人には、この本はとてもお薦めです。