息子育児とジェンダー教育


息子が産まれた時から夫婦で同じように育児に関わってきて、年と共に彼が「男の子っぽく」なっていくのを、面白く眺めてきた。息子は最近、ウルトラセブンが大好きで…ではなく、自分のことをウルトラセブンだと信じている。そんな息子のお気に入りの遊びは「ダンとアンヌごっこ」。自分はモロボシダン役、そしてママ(私)にアンヌ隊員役をやらせて会話を楽しむ。例えば、


息子「みんな、洞窟に行くぞ!…ねえママ『洞窟は怖いわ』って言って。」
私「洞窟は怖いわ…」(←60年代の女らしい女性というコスプレ気分)
息子「大丈夫だ。他にもたくさん男がついているから!」


これは違うだろう、と思った私はアンヌ役のまま「隊長! 宇宙人を発見しました。ヒュー!ドカーン!(撃つマネ)宇宙人を倒しました」と言ってみた。すると息子はちょっと当惑した様子で「宇宙人を倒すのは男だけだよ…」。


はい、男女共同参画教育のお時間です。


「あのね、アンヌは女の人で、男の人に守って欲しい人もいるけれど、ママは自分で宇宙人を倒したい。女の人にも色々いるんだよ」。


男の子にどのようなジェンダー規範で臨むべきか、考える必要がない。何を伝えればいいか、自分でよく分かっているから。例えば「あなたが青が好きなら青を着ればいい。パパは赤が好きだから、赤を着るよ」などなど。


一瞬、立ち止まって考えることが多いのは、むしろ娘について考える時かもしれない。カタカタ車を押して歩いたり、「いないいない、ばあ」を楽しむ1歳児の遊びについて、特に迷うことはない。でも、色についてはちょっと違う。


「息子の服を着せておけばいいから安上がり」。最初はそう思っていた。0歳、1歳の赤ん坊は服の好みなど特にない。生後2〜3カ月の頃は、上の子のお下がりの水色のつなぎ服を着せたりしていた。それで特に、違和感はなかった。


友人知人に恵まれたおかげで、下の子は10カ所近くから女児服のお下がりをいただいた。新品同様のものも少なくない。ある時、息子のお下がりでなく、女の子服のお下がりを着せてみたら、いつもより、だいぶかわいく見えた。そこで息子のお下がりの中から、娘に着せてもいいと思う色を選びだした後、友人(あちらは上が女の子、下が男の子)と上の子服を交換した。


数週間前、娘のためにピンク色のシャツを数枚、買った時、一緒に、白地に紺ボーダーのシャツを買ったのは、私の中にあるPCな部分が抵抗を試みたのかもしれない。でも、祖父母が遊びにきてくれる日に娘に着せたのは、白紺ではなくピンク白の方のシャツだった。