最後に印象深い日本関係者との出会いについて。



フロリダ州パームビーチ郡に、広大かつ良く手入れされた日本庭園があります。気候の違いから日本の植物を育てるのが難しいフロリダで、本格的な日本庭園ができることに素人でも驚かされます。


庭園と園内の博物館は、この敷地を郡に寄付した日本人の姓を取り、Morikami ParkとMorikami Museumと名付けられました。私たちは、この庭園と博物館をマネジメントする日本人Mihoriさんご夫妻の案内で、庭園を見て回りました。


Mihoriさんが渡米した経緯、ひょんなことでMorikamiさんと遭遇したこと。庭園のマネジメントと博物館の立ち上げに、Mihori夫人が多大な努力を払ってこられたこと。フロリダの陽気の中、美しい日本庭園を歩きながら伺った60年間にわたる物語は、まるで映画のようでした。



開館当初は、Mihori夫人がご自宅にあった日本風のものを集め展示したこともある、という森上博物館。今では日本人も驚くほど本物らしく、日本の日常生活が再現された素晴らしい展示になっています。


園内のベンチや私たちが講演をさせていただいた素敵なホールは、寄付により作られています。日本とは縁がないフロリダの成功したビジネスパーソンが、こうした文化施設を支える構造もアメリカらしいと思いました。


もうひとつ、印象的だったのはマイアミJETの皆さんとの夕食会でした。総勢20名近い皆さんが、日本で語学教師として小中学校で教えたり、地方自治体で働いた経験を持っています。


今では、様々なお仕事に就いていて、中には森上庭園で働いている方もいました。移民支援のNPOで働く方からは、トランプ政権の問題点を、研修医として働く方からは「日本語は自分にとって心を開放してくれる趣味」と聞きました。


それぞれ、JET期間中に日本で過ごした思い出を聞かせて下さって、とても嬉しくなりました。あらためて、人と人の交流こそ、国同士を結び付ける、と感じます。今回の訪米で学んだことを、私も日本で還元していきたいと思いました。