千葉県の公立小中学校で教えている「男女平等」や「LGBT」のこと

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10本の報告で約20校、数百人の生徒が受けた授業について聞きました。

千葉県教育研究集会で、ジェンダー平等に関する分科会でコメンテーターを務めました。15校から10本のレポート&報告が出て3つの柱に沿って議論しました。「意識・慣習の見直し」、「労働・家庭をどう捉え、どう教えるか」、「性をどう捉え、どう教えるか」。

 

暗黙のバイアス、男らしい仕事・女らしい仕事、家事を母親や祖母ばかりがやっている実状に気づく、友達から「同性が好き」とカミングアウトされたらどうする?等、身近な事例をもとに、小中学校で行った授業と成果を聞きました。

 

子どもに納得感を持ってもらうため、男性で育休を取った先生の話を聞いたり、生徒の保護者(消防士)の家事育児分担を聞いたり、地元で働く人12職種を招いたり、とても工夫しているのが印象的です。「●●すべきだ」という話に留まらず、実例を見ることで「色んな生き方・働き方がある」と知ることが効果的なのは、大人も子どもも同じです。

 

特に印象に残ったのは、生徒会長の決め方、構成員について議論する中で「政治分野における男女共同参画推進法」の必要性を理解するというある中学校の授業でした。この中学校では女子が生徒会長を務めることが続いており、子ども達に聞くと「生徒会長=女性」というイメージが定着していたそうで、いかに身近なロールモデルが重要か分かります。

 

また、職業選択を考えるためのテキストで、職業紹介文に添えられたイラストのほとんどが男性であった、という問題点を指摘していました。視覚的効果で男女の希望職業が変わってくることを実験で示したデータも興味深かったです。