日本で働いていた時と同様、こちらのオフィスでも雑談ができる場所は重要です。

CEWのオフィスには8畳大のキッチン(写真)があり、共有スペースとして良い役割を果たしています。食器洗い機が付いた広めの流し台、マグカップからフォークやナイフまで食器類が揃った棚、電子レンジ、コーヒーメーカーに冷蔵庫、そして4人がけのテーブルが置いてあります。

前日に何かイベントがあった折には、残ったケーキや料理などがテーブルの上に乗っていることも。ここのテーブルにあるものは「みんなが自由に食べていい」ことになっていて、自宅で焼いたブラウニーを持ってくる人などもいます。冷蔵庫はかなり大きいのですが、20数人が持参した飲み物などを入れているのでいつもいっぱい。

食べ物や飲み物があるところに人が集まってくるのはいずこも同じ。読書や作業に飽きた時はここにコーヒーをいれに行くと、たいてい誰かがいて雑談相手になってくれます。お昼時に野菜を切っていたルイーズに「ベジタリアンなの?」とたずねたら、20年以上も前からダイエットのために野菜中心の食事にしているとのこと。しばらく食べ物の話で気分転換してから自分の部屋に戻りました。

先日、あるシンポジウムでスピーカーを務めたスーザンに、アリゾナで得たちょっとした関連情報を話したところ、彼女もさらに追加情報を教えてくれて勉強になりました。わざわざ相手のオフィスに立ち寄るほどではないけれど、こうした会話は自然に知識を広げるのに役に立ちます。

この間、私が自宅から持ってきたマグカップが見当たらないので、共有のカップを使おうと思って棚を開け閉めしていたら、それを見たジャニスが「レンゲ、あなたのカップはきっと誰かが使ってると思う。自分専用のカップはここ(電子レンジの上)に置いておくといいわよ」と教えてくれました。「ありがとう。でもどうして私のカップがどれか覚えてるの? 記憶力いいねえ」と答えてしばらく話をするといった具合。初対面の時に「コンニチハ」と日本語で挨拶してくれた彼女にはもともと好感を抱いていたのですが、やっぱり親切な人だなあという印象が強まりました。

フットボール好きでアナーバーで開かれる全ての試合を見ているという噂のジェシカには、この間の初観戦後に、次に見るべき試合とミシガン大の全米ランキングを教えてもらいました。

こんな具合に人がリラックスして雑談が出来る場所は、情報交換や信頼感の醸成に役立ちます。東京のオフィスでも、お菓子コーナーに人が集まっていたことを思い出しました。