子どもが今、いちばん気に入っている絵本。


「おおきなかぶ、読もうか?」と声をかけると「あ・ぶ!」と言って本棚から持ってくる。最初のページでおじいさんが「あまい あまい かぶになれ」と言うシーンでは「まい・まい!」。


かぶを引っ張るのを手伝う、犬、猫、ネズミを指さしながら「ワンワン、ニャーニャ、チューチュー」。おばあさんのことは「ばあば」、孫娘のことは「ちゃーちゃ(お姉ちゃん)」。最後にかぶが抜けたシーンを見て「うわー」と喜ぶ。


かぶが抜けない→応援を頼みに行く・・・単純な繰り返しの物語が楽しいらしい。かぶを引っ張る時の掛け声「うんとこしょ どっこいしょ」に、子どもの頃の記憶が蘇る。


面白いのは、最後にかぶが抜けて話があっさり終わるところ。「みんなで力を合わせた」とか「ネズミは小さいけれど、最後のところで重要な役割を果たした」といった教訓めいた話は一切なし。抜けたかぶを囲んで、おじいさん、おばあさん、まご、犬、猫、ネズミが喜んでいる。まごには名前すらついていない。何でもかんでも深読みして過剰に意味づけするのに慣れた大人の頭のデトックスにもなりそうな物語。