白河桃子さんのクラスでゲストスピーカーをしました。


テーマはいつものワーク・ライフ・バランスではなく、「自尊心の国際比較」にしました。というのも、3月に講師をした文科省でのセミナー懇親会で、日本の高校生の自尊心が他国と比べて低い、という問題を耳にしたためです。


仕事をするにしても、出産後働き続けるにしても、根っこには「やればできる」「やってみよう」という前向きな心の動きが必要です。根っこにあるのは自己肯定感だと思います。


私自身は、40歳近い今も仕事を続け、子ども2人を育てながら働いていますが、計画してこうなったわけではありません。当初は仕事が嫌だったし、どうしたら宝くじが当たるか、と考えたこともありました。でも、働き続けるうちに、上司に褒められたり、お客さんに褒められたりして仕事を楽しめるようになりました。良い職場だったので、妊娠した時も誰も「辞めるの?」とは聞かず「いつ復帰するの?」と尋ねてくれました。自身は専業主婦だった私の母は、私に家庭に入れと言ったことは一度もなく「あんたは両方やってすごいねえ」と今でも褒めてくれます。夫が私のキャリアを応援してくれることは、あちこちで書いたとおりです。


こんな風にして、もともと大してモチベーションが高くなかった私のような人間でも、周囲のポジティブな働きかけで「やればできた」「これもできるかも」と前向きになっていったのです。


最近は大学生からキャリアを考えさせる講座がたくさんありますが、知識だけ提供しても「やってみよう」「できるだろう」と思えなかったら意味がないのでは…こう考えて、今回はWLBの話ではなく「やればできる」と思う心の源泉について話をしました。


良い意味で驚いたのは、お話させていただいた白百合女子大学の学生さんたちは、平均的な日本の若い人より自尊心が高く、自己イメージも良かったことです。理由を尋ねてみると「高校時代毎朝6時に校門前を掃除していた」「自分は人を喜ばせるのが得意」と次々に答えてくれました。すごくいいなあと思いましたし、こういう風に10代20代が「大丈夫、やればできる」と思って大人の作った「たぶんダメ」という常識をどんどん覆してほしいです。