竹富島


石垣島から船で10分と近い上、昔ながらの文化が残っています。着いてすぐ、水牛車に乗って30分ほど観光。オレンジ色の屋根にシーサーが乗っかっている家々とハイビスカス、ブーゲンビリアが茂る街並みは「異国情緒」を求める観光客を満足させてくれます。野外カフェ風のかき氷屋さんでのんびりしたり、やたら急な展望台に登ったりした後、昼食。お店の雑記帳を見たら「癒された」「また来たいです」、そして「明日からまた現実に戻ります」「仕事を辞めて長期滞在してます」と言った記述が並んでいました。都市で働く人は皆、同じことを考えているのだなあと、すごく共感しました。



自転車を借り、緑の中を10分ほどこいでビーチへ。「ここ、本当に日本?」と思うような、エメラルドグリーンの遠浅の海が広がっています。パスポートなしで天国みたいなところに行けるとは! 驚きました。海の美しさで言えば、これまで行った海外リゾート(ペナン、カンクン、グアム)を上回っていると感じます。


独特のつくりの家屋が残されているのは、島の人々が「土地をよその人に売らない」という決まりを作って守っているためとか。短期的な経済利益でなく、長期的な視点で文化を守っていることが、多くの観光客を惹きつけていることが分かりました。またぜひ行きたいです。

ベッセルホテル


竹富島に行くため、船着き場に近いホテルを、と探したのがここ。泊まった理由は、Trip Advisorの口コミ評価がものすごく良かったためです。5年前米国に住んでいた時、ワシントンDCで安いホテルを探した際、Trip Advisorの評価が非常に役立った記憶が鮮明だったので、今回の旅行前も、ガイドブックで気になるホテルを見つけるたび、口コミ評価を全部読んでみました。すると、有名チェーンではないのになぜか褒め称えられているのが、ベッセルホテルでした。


どうやら、価格の割に部屋が広くベッドが大きいらしい、と分かりました。家族連れに受けが良いので、私たちに向いてるなと思い、最初の2泊をこちらで予約。泊まってみたら口コミ通りでした。ベッドはクイーンサイズ。部屋の広さは米国のモーテル並み。フロントの対応も完璧だし和洋揃った朝食も美味しいし、ちょっと島っぽい料理も味わえるし、自転車や加湿器の貸し出しもあるし。必要なものは何でもそろい、不要なものはない、という機能的なホテルです。


接客については、都内の宴会場付き大手ホテルと比べても遜色ないどころか、こちらの方がいいくらい。どういう研修をしているんだろう?と不思議に思っいたら、フィードバックの仕組みに気づきました。客室に置かれたアンケートに「良かったスタッフの名前を書いてください。やる気につなげます」といった質問項目があったのです。そして、エレベーターの壁には全スタッフ15名の顔写真と名前、出身地と石垣島でお勧めのお店の紹介がありました。小さなチームで最大限にやる気を引き出す仕組みに感心しました。マネジメントが良いのですね。


運営は広島県福山市のベッセルホテル開発。ロビーのパンフレットには「安いホテルは狭いのが当然、という常識を覆します」と分かりやすい「商品趣旨」が書かれています。東京にも最近、進出したようです。

ANAインターコンチネンタルホテル



こちらはリゾートホテルで、敷地内にプールやプライベートビーチがあるので、小さな子連れ&重たい妊婦も移動せずに楽しめます。遠浅の海は透明で、白い砂に擬態した手のひら大の魚が、浜辺まで泳いできます。近所の100円ショップで調達した砂遊びセットで一心不乱に穴を掘る子どもを眺めながら、のんびり過ごすことができました。


朝・昼にレストランでやっているバイキングの食事が美味しかったことも、印象的。ホテルのバイキングというと「可もなく不可もなく。まあ美味しいけれど値段が高いから、このくらいは当然かな」という感想を持つことが多いのですが、ここは本当に美味しい。全体に薄味で「だし」を利かせている感じ。特にお昼は豪華で、色んな種類のカレー、東南アジア風の料理など。マシュマロやパイナップルをチョコレートファウンテンにつけるデザートも充実していて、いつもは甘いものを制限されている子どもが目を輝かせていました。

近い!


東京からのアクセスの良さも魅力的です。飛行機の中で退屈すると「もう帰ろうよー」とか、着陸寸前に「おしっこ〜」と言い出す3歳児には、2時間強の羽田→那覇、45分の那覇石垣島のフライトはちょうど良い長さ。石垣島からホテルまで泊まったホテルまで5〜10分というのも、楽ちん。

人が、親切

空港からホテルに向かうタクシーでは「日焼けに注意した方がいいですよ」とか「震災以来、移住してくる人が増えてるんですよ」とか「今日は台湾から2000人弱、船で観光客が来てますよ」とか色々教えてくれました。隣の宮古島スカイマークが格安便を飛ばすそうで、石垣島も負けじと、ANAJALに値下げを要求しているとか。現地経済ニュースを短時間で教えてくれる運転手さんたちとの会話が楽しかった。お土産屋さんでは、例によって誰かれかまわず話しかける3歳児に笑顔で応対してくれるおばさんたち。旅行者もゆったり気分の人が多く、子どもの「ねえ、ねえ」に付き合ってくれました。


観光スポットではないのですが、印象的だったのが、こちら。

ファミリーレストラン「和食亭」


合掌造りのような和風の建物、インテリアも金屏風絵のレプリカで、色んな和食が食べられます。セットメニューを2つとって3000円と東京価格ですが、ボリュームは倍。味噌汁をうどんに変更できるプラン(追加料金あり)が珍しかったです。土地柄か豚肉料理が美味しかったです。また、働いている人が年齢・性別を問わず、親切でテキパキ働いていました。恐らく担当のテーブルが決まっているようですが、担当外の客でも何か頼みたいことがありそうなのを見ると、さっと走ってくる人が多くてモチベーションが高いことに感心しました。

石垣市立図書館


ベッセルホテルから近かったので、立ち寄ってみました。シーサー付の赤い屋根が洒落ています。子どもコーナーがとても充実していて、畳敷きのスペース、板張りのスペース、それぞれ10畳〜20畳大くらいでゆったり本を読めます。小学生が宿題をするスペースはまた別にあるので、未就学児が紙芝居を読んでもらったり、絵本を積み上げて眺めていても邪魔にされません。


都心部では、全ての土地がマネタイズされているため、図書館も狭くなりがち。かつて、子連れで地元の図書館に行ったものの、全く落ち着かなかった記憶があるので、こういうスペースは本当にうらやましいです。息子が好きなライオン関連の絵本に見入っている間、私は沖縄戦コーナーで見つけた「海に沈んだ対馬丸」(岩波ジュニア文庫)を読みました。生き残った方のひとりが、「為政者はいつの時代も勝手なことを言うけれど、何が正しいか見抜く力をつけるのは教育です」と話していたのが印象的でした。