先週、ものすごく嫌な人に出会った。

詳細は省くが、態度もモノの言い方も話の内容も感じが悪い。他人を声高に批判しながら、自分が批判対象と全く同じ行動を取っていることに気づかないタイプの偽善者である。

あまりのひどさに、その言動を目のあたりにしながら、最初はそれが本当に起きているとは信じられなかった。日本で仕事をしている時にも色々な人に会ったし、中にはとても保守的で全く相容れない人もいた。それでも彼らの方が、先日会った人に比べればずっとまともだった。

何が起きたのかきちんと理解できるまでには2日以上かかったと思う。ショック状態の後で抑鬱感がきて、次に感じたのは強い怒りだった。さらに数日経って落ち着いてくると、思わぬ副産物に気づいた。性別や国籍、使用言語で人格を判断するのは危険だとあらためて分かったこと、そして私の周りに親切な人がたくさんいるということだ。

同居している連れ合いはもちろん、彼の上司である先生たちは的確かつ親切なアドバイスをくれた。所属先の客員研究員担当であるベスに一番落ち込んでいた時にメールを書いたら、彼女は翌日私のオフィスに花を飾っておいてくれた(写真)。まるでお姉さんのようで、本当の優しさは言語の壁を越えることに気づいた。ベスのアレンジで、この種の問題に対処する専門家2人にも会った。

今朝、家庭教師のジリアに状況を説明したら「出来ることがあれば何でも言って」と言ってくれ、過去に日本で似たような経験をした時の対応も話してくれた。日本の知人たちはメールで愚痴を聞いてくれた。

私は嫌なことがあると、あらゆる手段を使って知り合いに文句を言いまくるので立ち直りが早い。今回も1週間経たないうちに元気になってしまった。英語が下手でも気にせずに、色んな人に話して良かったと思う。あとは可能な対処法を全て試してみて、結果は酒の肴にでもしようと考えている。