ミシガン大学にEnglish Language Institute(ELI)という機関があります。

ここで留学生や外国人研究者向けにレポートや論文の英文をチェックするサービスがある・・・と聞いて行ってみました。私が書いたのは参考文献リスト付25ページほどの調査リポートで、所属先のCEWのウェブサイトに載る予定のもの。学術論文ではないのですが、ふだん書いている雑誌記事ともまた違う。しかも英語。専門家のアドバイスを聞いみたいと思ったのです。


事前にアポイントを取ってオフィスを尋ね、担当のインストラクターに渡された用紙に名前や第一言語を記入します。リポートの執筆目的と想定読者、私の仕事背景を話してその場で見てもらいました。予想外に真面目でしっかりした対応にびっくり。


「たくさん直してほしい。これ、使ってください」と赤ペンを渡したら「赤は感情的になっちゃってよくないから、こっちを使うよ」と自分で持っていた緑のペンで書き込みを始めました。私は記者をしていたので、上司に原稿を見せて赤字で直しを入れてもらうのに慣れていますが、普通の人は自分の書いたものを赤で直されたらカチンとくるのでしょう。ずいぶん気を遣うんだなあと感心しました。


冠詞や前置詞の間違いに始まり、語彙不足から、つい同じ表現を使いがちであること、ひとつの段落が短すぎる傾向にあることなどを指摘され、とても勉強になりました。文法的に明らかに間違っている部分以外は「これは僕のbiasかもしれないけれど」「必ずしもその通りに直さなくてもいいけれど、こういう風に考えるといい」といった具合にとても丁寧にアドバイスしてくれました。


実は以前、同じ機関で論文を直してもらった人から「ざっと見て構成についてアドバイスをしてくれるけれど、あまり細かいところまで見てくれない」と聞いていたので、それほど期待していなかったのですが、私が会ったのは別の人だったようです。人によってもスタイルが違うんですね。