キャンパス内では数え切れない講演やワークショップが開かれていて、毎日が学園祭といった趣だ。


正式に聴講させてもらっているのはメキシコのゼミだけで、他は各学部が開いている講演案内のメールを見て好きなものを見に行く。今年に入ってから、そういうものだけで50ほど聴いた。


中にはあまり面白くないものもある。今日の夕方聞いた講演は期待外れの一例。スピーカーはオルブライト、パウエル両国務長官の補佐やイスラエル、エジプトなどの大使を歴任した人物。テーマは「中東政策と民主化の道筋について」だったから、ニュースの裏側みたいな話が聞けるかな、と思っていたのだけれど内容は・・・だった。


一言でいえば当たり障りのない話に終始していた感じ。現状分析というなら昨年の9月11日に聞いたミシガンの教授の話の方が新しい視点があって面白かった。実態を知る人ならではの現実(保守)路線の話を期待していたのでがっかりした。質疑応答の時はポケットの中の小銭をじゃらじゃらさせていて、落ち着かない様子だった。元偉い人なんだからもっと堂々としていればいいのに。


こんな具合にプロフィールを見て期待したらいまいちということもある。有名大学から来たゲストスピーカーの話が「何、これ?」ということもあれば、小さな企業を夫婦で経営している人が具体的で初耳という感じの業界裏話をしてくれることもある。もちろん、肩書きと話の面白さが一致して「さすが!」と思うことも。数ヶ月前に「国際条約と人権」について話したハーバードの女性教授は、話し方もプレゼン資料も内容も面白くて、今も印象に残っている。


こんなわけで(自分のことは棚に上げて)色んな人の話しぶりを観察していると勉強になる。