仏・リヨンから少し足を伸ばして、北アフリカのチュニジアへ。


首都・チュニスに5日間滞在した。飛行機でリヨンから2時間、パリから3時間弱なので、フランス人にとって手近な観光地のようだ。


1956年に独立するまでフランスの植民地だったので、街は確かにフランス風。大通りにはカフェが軒を連ね、屋外にはパラソルとテーブル、椅子が並んでいる(写真)。


嬉しいのは物価が安いこと。一等地の"フランス風カフェ"でお昼を食べて飲み物も頼んで、1人分、500円以下。東京の3分の1くらい。カフェにも色々あって、地元向けの店ならミントティー1杯が50円。


東洋人は珍しいようで、道を歩くと視線を感じる。若い女の子はこちらをじっと眺めるけれど、目が合うと恥ずかしいようで逸らしてしまう。そしてまた、じーっと見ている。一方、男性はオープンで「ジャパン?」とか「ジャポネ?」と尋ねられる。こちらが頷くと「コンニチハ」と返す人が多いので驚いた。日本と同様に、会釈が通じるようで言葉は分からなくても何となくコミュニケーションが取りやすい。


電車に乗って郊外へ観光に行った時は、スカーフを被ったおばさんに話しかけられた。といっても、先方はフランス語とアラビア語、こちらは日本語と英語なので言葉はほとんど通じない。身振り手振りの助けを借りて、彼女が中国やフィリピン、フランスやイタリア、クウェートに行ったことがあると分かった。裕福な自営業者の奥さんだったようだ。


あまりに色々話しかけられるので、初日の夜に「ありがとう」、「私は日本人です」などのアラビア語のフレーズをインターネットで調べてメモして持ち歩くことにした。ここでは、二言目には「フランス語、喋れる?」と尋ねられる。生まれて初めて、英語以外の言葉を喋れたら! としみじみ思った。