こういうことだと思う。


保育園へ行く途中で通るクリーニング店のおじさんが、いつも子どもに話しかけてくれる。


知り合ったのは数カ月前。「かわいいねえ」と目を細めて言ってくれた。それから毎朝、挨拶を交わすように。


ある日、保育園の先生が連絡帳に、今日、お散歩に行ったら、クリーニング屋さんのおじさんに会いました。○○ちゃんと知り合いみたいで、会うとにこにこしていましたと書いてくれた。


近所を散歩していて、おじさんに会うこともある。いちはやく子どもに気づいてくれて「こんばんは!」と言ってくれるので、とても嬉しい。


今では子どももクリーニング店の前を通るたび、おじさんがいるか確認する。いると数十メートル先から指さして喜び、いない時は「ナイ!」と残念そうだ。


風邪でしばらく保育園を休んだ時のこと。保育園のママ友がこんなことを言う。「この間、クリーニング屋さんに『ベビーカーに乗ってる、いつもにこにこしてる子、最近、見かけないけどどうしてる?』って聞かれたよ。きっと○○ちゃんのことだと思ったんだけど・・・」。よその家の子なのに心配してくれたんだ、とありがたかった。


翌日、お店の前を通るとおじさんが満面の笑顔で「また会えて、本当によかったよ!」。


他人からもらう言葉が、こんなに嬉しかったことはない。おじさんみたいな人たちが、子育て世代を励まし勇気づけてくれる。それは、おカネでは買えない、ほんとうに貴重な財産だ。