とても説得力がある育児本ですが、著者は育児の専門家ではなく経済学者です。米ジョージ・メイスン大学のブライアン・カプラン教授で専門分野は公共経済学や公共選択論。


趣旨はタイトルの通りで明快。今、望んでいるより多くの子どもを持つことを勧めています。なぜならそれはコストに見合う、利己的な行為だから。様々な研究データで説得してくれます。


子どもが畑仕事をしてくれたり、年老いた親を養ってくれるわけでもないご時世に「より多くの子どもを持つのが利己的」とはこれいかに?


本書のポイントは3つあります。


1.子育ては親が思うよりコストがかからない
2.子どもの効用は親が60代を迎えた時ピークになる
3.でも政府に頼るのは間違いだから自力で子ども・孫を増やそう


一番たくさんページを割いているのは1.で、双子と養子に関する研究がたっぷり出てきます。子どもの成長を規定する要素が遺伝なのか環境なのか、徹底的に検証するためです。