予告編や映画サイトで内容はほとんど知っていたのですが、やっぱり見てよかったです。いえ、すごくよかったです。


 タイトル通り、女の子が自転車に乗る話です。舞台はサウジアラビア。女性の権利が制限されている国なので、色々と「やってはいけないこと」があります。映画のパンフレットによると、女性は車の運転やひとり旅ができず、参政権もないそうです(2015年から地方選挙に参加できる予定)。そういう中、元気な10歳の少女・ワジダが「自転車に乗りたい」と思い、自転車を買うために様々な努力をする様子が描かれます。もちろん、女の子が自転車に乗ることは母親や学校の先生から禁じられているにもかかわらず。


 ストーリーは2人の女性の言動を対比させる形で進みます。一方はワジダのお母さん。伝統的なルールに縛られ、行動を著しく制約されている美人で料理や歌が上手い女性です。もう一方のワジダは、ルールは知っていてもしばしば無視して自分のやりたいことをやろうとします。スニーカーを履いたり、ラブソングを聴いたり、髪の毛を覆わずに登校したり、男の子と一緒に遊んだり。これは日本を含む多くの国ではごく当たり前のティーン栄ジャーの行動です。けれどもサウジアラビアの女性は家族以外の男性に姿を見られないように注意して生活しているので、目立ちます。


 最終的にワジダが自転車を手に入れるであろうことは、予告編からも分かるのですが、肝は「どうやって」という部分なので、そこは伏せておきます。