朝10時頃、タクシーで Bryn Mawr のキャンパスを出発。今回はDr.Jorden が得意先になっている個人運転手にお願いしたのでとても快適だった。


運転手はおそらく年金生活者の女性で、小遣い稼ぎのような感じで白タクをしているのだと思う。「最近の暑さは何十年ぶりだ」「東京はもっと蒸し暑いから、ここの方がまだましだ」「娘がこの間、東京に出張していた」などと雑談しながら約30分でフィラデルフィア空港に到着した。


荷物のチェックインを終え、搭乗口を確認するためチケットを見たら、なぜかファーストクラスと書いてあった。席は2-C。何かの間違いかと思ったが、そういえばノースウエスト航空のマイルがたくさん貯まったので、シルバーエリートになっていたから、国内線は自動的にアップグレードされるのを思い出した。この6年間、ノースウエストに20回近く乗ってきた。客扱いと機内食のひどさは群を抜いていて、たまに他社便に乗ってみるとあらためて驚く。出来れば乗りたくないのだけれど、成田-デトロイト間の直行便があるのがノースウエストだけなので、仕方なく"投資"し続けてきたのだった。少しだけ回収して気分が良くなる。客室乗務員のおばさまも、心なしかいつもより丁寧な気がする(単に個人差かもしれないが)。本を読んだり眠ったりして、14時半頃、デトロイト空港に到着。


いつも通り彼が迎えに来ていて、クルマで家に向かう途中、芝生のある公園のようなところでクルマを止めて、ノンアルコールのシャンパンでお祝いしてくれる。大学のある Ann Arbor という街まで約30分。家に着くと、彼はちょっと熱があるから昼寝をして私は散歩。


明日から顔を出すことになっている、所属先の建物まで家から何分かかるか測ってみたら歩いて5分だった。隣の公園では数人の学生が「爆弾ではなく食糧を」と書いた看板をもって何となく集まっている。「イスラエルレバノン爆撃に反対しているのか?」と尋ねてみたら「全ての戦争に反対しているのだ」との答えでビラをくれる。学生の街に来たんだなあと思う。ヘルメットを被ったような学生ではなく、普通の男の子と女の子たち、それもこの街では比較的おしゃれをしている部類に入りそうな人たちが参加しているのがちょっと目をひいた。


この6年間、休暇のたびに何度も何度も何度も何度も訪れたこの街に、これから1年滞在するんだと思うと少し奇妙な感覚だ。いつもなら、到着してすぐは時差ぼけで眠くて仕方ないのに何ともないのも変な感じ。