オフィスの隣にあるベジタリアンレストラン(写真)で同僚とお昼を食べた。


私が所属するCenter for the Education of Womenの客員研究員で南アフリカ出身のジュリエット、同じく客員研究員でアフリカ系アメリカ人のルーシーとその友達のキャロル、カリブ海トリニダード・トバゴ出身でミシガン大学文化人類学部の博士課程で学ぶパトリシア。


私を含め全員が有色人種女性だったため、まずは人種問題で盛り上がった。アパルトヘイト後の南アについてジュリエットに尋ねたところ「いまだに異人種間結婚は不道徳とみなされているから、どうしてもしたい場合は2人で海外に移住することが多い」と言う。人種差別制度は廃止されても、差別感覚が消えるのには時間がかかる。ジュリエットはインド系。全体の約5%を占め、祖父の代に「安い労働力として」インドからわたってきたのだという。南アでは今でも、白人、混血、インド系、アフリカ系というヒエラルキーが残っているらしい。


ルーシーはミシガンで10数年前に経営学博士号を取得した。専攻は金融で、当時クラスにアフリカ系女性は彼女だけだったという。子育てしながら通学し、子供が病気になった時はクラスメートに2人分の講義ノートを取ってもらい、試験をパスしたそうだ。「父は黒人だからと就職希望先に断られたこともあったし、母が大学に行くと『なぜ黒人がいるの』と言われたこともある」という。


ひとしきり話した後で、いつものことながら政治ネタを振ってみた。「女性であること、有色人種であること、政治的な好み、次の大統領選挙ではどれを優先する?」。


「ヒラリーかオバマかってことね」と解釈したパトリシアは「私はジェンダーより人種の方が気になるから、オバマ。ヒラリーは賢い女性だけど敵が多すぎるから勝てないと思う」。ルーシーは「ヒラリーやオバマよりエドワーズの方が勝てそう」。2004年に副大統領候補として立候補したノースカロライナ州上院議員だ。先日、ペンシルバニアで話を聞いた大学教授(リベラルな白人男性)も「南部出身者でないと勝てない」と言っていたので、ルーシーの意見にはなるほどと思った。キャロルは「この国は黒人を大統領にする準備はまだできていない」と言う。「メディアはオバマ議員を好きみたいだけど」と聞くと「それはリップサービスで本心じゃない」と悲観的だ。


誰かがライス国務長官の名を挙げるかなと待っていたが、そもそも彼女たちの念頭にはなかったようだ。リベラル大学町の有色人種女性3人という似通った嗜好を持つ人々でさえ、これほど意見が分かれるのは面白い。


「日本のメディアは去年の秋に『ヒラリーVSライス』とか書いてたけど」と言うと「何、それ? でも外国からどう見えるか聞くと面白いわねえ」と笑っていた。