ポストマン [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2005/11/18メディア: DVDこの商品を含むブログ (2件) を見る

大規模戦争後に無政府状態になったアメリカが舞台。


各地に小さな街が点在し、人々は中世に逆戻りしたような暮らしをしている。ヤクザまがいの軍隊が周辺を統治していて、男性を徴兵したり物資を奪っていく。皆、武装した兵士たちが怖くて手出しができない。


希望を失っていた人々のところに、郵便配達人の格好をした男(ケビン・コスナー)がやってきて15年ぶりに手紙を届ける。彼のついた嘘がきっかけで、政府再建を信じる若者が続々と郵便配達人に志願、最後は悪役の軍隊を倒す。


ベタな映画だがとても面白かった。アメリカの愛国心とリベラルな面が上手く混ざっている。例えば悪役が村人に星条旗を焼かせるシーン、ケビン・コスナーが悪役と一騎打ちをしながら"I believe in the United States !"と言う部分、架空の新大統領からのメッセージに聞き入る若い郵便配達人たち。そして極めつけはベトナム戦争の元帰還兵がケビン・コスナーに戦術を伝授する場面だ。国旗、国家、大統領、国を守るための戦争・・・といった愛国心をそそる小道具がこれでもか、と登場する。


愛国心=保守ではないところがアメリカらしい。ケビン・コスナーの右腕役はアフリカ系の勇敢な若者だ。妊娠中のヒロインも武器を持って戦い、敵を何人も倒す。主人公は平和主義者で、最後に敵に情けをかけて殺すまいとする。女性、人種マイノリティ、死刑反対・・・といったリベラル好みのテーマが散りばめられているのだ。


分かりやすいハリウッド映画であり、リベラル愛国映画でもある。前半が少し暴力的すぎる気はしたが、明るい気分になった。