今日はミシガン大学日本語学科の「ビジネス日本語」のクラスにゲストスピーカーとして招いていただきました。


学生さんは4年以上の日本語学習歴を持つ人たちで、敬語も上手。最初に自己紹介をしていただいたところ「今日はお忙しい中、来ていただいてありがとうございます」と話すのを聞いて少し驚きました。先生によると、1年目から日本的なマナーも教えるとのこと。私が聴講しているメキシコの政治経済に関するゼミでは、授業中に食事をしている子もちらほらいますが、今日のクラスでは誰も食べたり飲んだりしていなくて、雰囲気がずいぶん違いました。


お話したのは「日本のビジネスパーソンについて」。取材のための準備や日本と米国のビジネスパーソンのコミュニケーションスタイルの違い、「飲み会」の意義(お酒を飲むことそのものより、悩みを聞いてもらったりする"メンタリング"に意義があるetc)、日本で今後伸びそうな産業などについて話しました。


アメリカの若い人の間で日本のアニメや漫画が人気であることは、よく知られています。今日、学生さんたちと話をしてあらためてそれを実感しました。ある学生さんによると、約10年前は街の書店で日本の漫画コーナーは一面分の本棚しかなかったのが、最近は棚一本(四面分)を占めていて、どんどん拡大しているとか。また、インターネットで日本のテレビ番組をダウンロードすることが当たり前になっていることを再度確認しました。


こういう現状を知ると、日本のエンタテインメント業界はビジネスチャンスを逃していることを感じます。インターネット上には違法コピーされた番組が英語の字幕つきで大量にアップロードされています。視聴者は日本のソフトが好きなのである程度はお金を払っていいと思っているのですが、DVDが数千円というのは学生には高すぎる。その上、日本での放映から英語版が正規ルートで流通するまでには時間がかかるので、早く見たい人はネット上で探すことになります。


たとえばCBSニュースがやっているように、インターネット上で番組を配信してCMを入れればテレビと同じビジネスモデルが可能です。もしくは学生でも払える程度(1話1ドル以下になるでしょう)の金額で販売してもいいでしょう。いずれにしても、正規料金が高すぎるがゆえに違法配信が市場の大半を占めるという状況は、好ましくありません。著作権の問題などややこしいことは承知の上で、早くネット配信してほしいと思います。そうしないと遺失利益が増えるだけです。