今日はミシガン大学で発表をした(写真)。


テーマは「共働きカップルの家事育児時間」。この10カ月間に行った文献調査とインタビューの結果をまとめた。米国での調査はこれで一区切りだ。


所属先のCenter for the Education of Womenのディレクターや同僚たち、ミシガン大学の研究者や大学院生など約25人が聞きに来てくれた。


人口減少下の日本では労働力確保のため"女性活用"を進める動きがあること、共働き子持ち夫婦の家事育児分担の実態が米国人の1970年代とそっくりであることを紹介した。次に、家事育児分担の割合を決める様々な要因(夫婦双方の収入、家事の内容etc)と私が行ったインタビューの結果を話した。①男性の年齢が若いほど分担割合が高く、②妻の年齢が若いほど夫への要求が厳しく、③実際の分担割合と本人の平等認識にずれがある。


米国男性が日本男性より家事をよくやるのは、彼らが平等主義であることに加え、妻の収入が高いため。内心では「家事なんて女の仕事」と思っている保守的な男性でも、収入が少ない場合は妻も働きに出る。そのため男性の家事分担が増えるのだ。一方で、リベラルな考えを持つ高学歴男性が、実は家事育児の大半を妻に押し付けていることもある。日本でも男女平等意識を問うアンケートをよく見かけるが「どう思うか」だけでなく「どう行動してるか」まで尋ねてみないことには、実態を見誤る。


お昼の12時から質疑応答を含め1時間半。始まってから終わるまで時計を見る余裕がなかったが、最後の質問に答えたのがちょうど午後1時半だった。


質問をしてくださった人は米国、日本、中国、ナイジェリアにおける家事育児分担ついて話してくれて、面白かった。


米国滞在中は「日本企業と女性」をテーマに4カ所で6回、講演をした。人前で英語で話すのは本当に勉強になった。特に今回は、同僚が色々と気遣って準備をしてくれたのが嬉しく、とても良い思い出になると思う。