朝から晩まで仕事をしていて帰宅は深夜。本はアマゾンで買うから近所の図書館を使ったことはなく、学校に足を運ぶのは選挙の時だけ。当時、政府に望むのは唯一、治安の確保だった。駅から自宅まで夜道を安心して歩くことができ、明け方にタクシー帰りした時に不審者がうろついていないこと。当時いちばんありがたかった行政サービスは、制服警官による自転車パトロールだった。
ひとたび子どもができると一変する。妊娠がわかってすぐ、区役所で母子手帳と一緒にもらったのは妊婦健診の助成クーポン。おかげで数万円が浮いた。出産費用も健康保険から35万円の補助が出る。
出産後に地域の保険センターに連絡すると、自宅まで来て、子どもの体重を量ったり健康状態を見てくれた。先日は助産師さんが乳房マッサージのため約1時間の自宅訪問。市場価格では約5000円かかるものが、やはり区の助成で自己負担わずか500円。この値段でサービスを受けられるのは1回きりだが、それでもすごくありがたい。この間、乳腺炎になったばかりなので、アドバイスは本当に役だった。
また、私が住んでいる地域では中学生までの子どもは医療費が無料である。診療報酬の自己負担分を区が肩代わりしてくれるのだ。この先も公立保育園や学校を利用するだろうから、行政サービスから受ける恩恵は計り知れない。これまで払ってきた税金を払い戻してもらっているような気分だ。