昭和女子大学ビジネスデザイン学科1年生(100名余)向けに講義をしました。


私自身の仕事と育児の両立についてお話しつつ、受講生の皆さんにいくつかの質問をさせていただき、グループディスカッションや発表をしていただきました。


特に面白かったのは、受講生自身のお母さんの就業形態と、自分の将来の希望について書いていただいたレポートです。女子大生の多くは「子どもが、ただいま、と帰ってきた時、家にいて迎えてあげたい」と言います。だから「子どもが生まれたら、しばらくは主婦をしたい」というわけです。その理由は「自分のお母さんが主婦で、自分が学校から帰った時に家にいてくれたから、自分も子どもに同じようにしてあげたい」というわけです。


一方、お母さんが主婦だった女子大生の中には「働きに出たお母さんが生き生きして楽しそうだったから」「お母さんが、本当は働きたいと言っていたから」、自分は仕事を続けたい、という人がいます。つまり、母親の就業形態そのものではなく、それを母親自身がどう位置付けているか、が女子大生の就業意識に影響を与えている、という仮説を立てることができそうです


面白いのは、共働き家庭で育った女子大生も、将来の希望は2つに分かれたことです。「自分が家に帰った時、誰もいなくてさみしかったから、子どもが生まれたら家庭に入りたい」という人もいましたし「きょうだいや祖父母が同居で、親が共働きでもさみしくなかったから自分も仕事を続けたい」という人もいました。


つまり、親の就労形態そのものではなく、放課後の過ごし方や経験が将来の希望に影響を与えている、という仮説を立てられそうです。


よく、若い女性は主婦志向が強く保守化している、と言われますが、希望することやその理由を詳しく尋ねてみると、色んなことが分かり、面白いのです。


私はこういう話を「働く親」として参考にして聞いているところがあり、女子大生の生の声は、自分と子どもの関係を考える上でも、大変役立ちます。そして、うちの子ども達の様子をちらちらと講義で紹介して、共働き家庭の様子を垣間見てもらうことも、やっております。