写真家ヨハン・ベーヴマンさんの「スウェーデンのパパたち」写真展が開かれています。



来日したヨハンさんと、マグヌス・ローバック在日スウェーデン大使と対談するメディア・イベントが開かれ、私は司会を務めました。


スウェーデンは公的な育児休業制度が整った国で、パパの育休取得率も日本より、ずっと高いです。それでも、まだ、男女で育児分担は同じではありません。


ヨハンさんご自身の育児体験から、6カ月以上、子どもと一緒に過ごすことを選んだパパに焦点を当てて、父子の様子を撮影しました。


日本でも「パパと子ども」の写真を見る機会はありますが、記念写真か広告写真のような、きれいな場面がほとんどです。実際に育児に携わる身としては「これはリアルじゃないなあ」と思ったこともありました。


ヨハンさんは、育児の楽しさと同時に大変さを切り取っています。長時間、被写体の父子と一緒に過ごすことで、彼らが自然な表情を見せてくれるまで待ったそうです。実際、写真に写っているのは、ちょっと疲れたお父さんの表情だったり、くつろいだ様子だったり、子どもが泣いていたりします。子どもと過ごす日常は、親にとって疲れたり、やれやれだったりすることが多く、そのリアリティの中にこそ、喜びもある。そういうことが伝わってくる素敵な写真でした。



さすが!育児先進国スウェーデンと思ったのは、ローバック大使のお話で、大使も育休取得経験があります。妻の出張中、赤ちゃんの双子をひとりで見たことがあり、「その時、禅の境地が分かりました」と言います。


ヨハンさんによると、スウェーデンの中にも育児意識の格差があるそうで、都会ほど、また高学歴専門職の人ほど、男性育児に抵抗感がないと言います。一方、地方やブルーカラー層、移民の多いコミュニティではパパ育児はまだ一般的ではないそうで「パイオニアとして頑張っているパパ」の写真もありました。


2018年も、東京を始め、岡山・福岡・奈良県等で、ヨハンさんの写真展が開かれるそうです。ぜひ、足を運んで見ていただけたら、と思います。
写真展の情報はこちら。
http://www.swedenabroad.com/ja-JP/Embassies/Tokyo/4/20172018--sys/