小川さんの本は『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を』というちょっと変わったタイトルです。「ほとんどない」ことにされているのは、痴漢、性虐待、デートDVなど、女性や子どもが被害に遭う暴力の数々で、被害を訴えても救済されることは少ないのが現状です。
ネット上には、被害の実状を知らないか、知っていて見ないふりをして被害者を叩く言説を目にすることがよくあります。心ない言説と正面から向き合って戦っているのが小川さんで、私は彼女を同業者として大変尊敬しています。
中川さんとは大学の同級生で、四半世紀前から知っています。この日は、女性ふたりだと「そうですよね!」と同意して終わってしまいそうなテーマを扱ったのですが、中川さんが「オレはこう思う」と違う視点を出してくれたのが、すごく面白かったです。根っこに個人の尊重という価値観があって、個別事象に対する考え方が違う人と話すと気づくことが多いなあ、と思いました。