日米の大学生が企画する高校生向けサマースクールでジェンダーのお話をしました

日米の大学生が企画運営する高校生向けの合宿型サマースクール、小松サマースクールでジェンダー平等についてお話しました。

 

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良いな、と思ったのは、大学生の運営。年が近い参加者の体調なども考えつつ、SDGsについて学び自分たちができることを高校生が議論するのをサポートします。

高校生の質問はとても鋭くて、ふだん大人向けに講演しているのと変わりない。むしろ大人は思いつかない/遠慮して言わないことも正面から尋ねる。

例えば、男子高校生からは、女性のリーダーが増えると男性のポストが取られるから男性が抵抗するのではないか、という質問。実際、企業で起きています。

サマースクール参加者も運営する大学生も女性が多いから、日本社会のジェンダーギャップとは別世界。しかも、今の性差別に男子学生は直接の責任がありませんから「何で女性を優遇するの…」という疑問はしごくもっともです。

私の回答は①性差別構造を作ったのは皆さんの親・祖父やもっと上の世代。②本当なら一度、彼らが過去の過ちを認めて謝罪するとか、③高度経済成長期は機能してきた性別役割分担モデルが立ち行かなくなった(ゲームのルールが変わった)ことを認めて総括すべき。

本来、責任ある世代が過去、女性が男性の補助的役割を担ってきた事実がなかったかのように「女性活躍」とか言ってるから、若い世代がモヤモヤする。

もう一つ、大人からあまり受けない質問は「性差別をなくすのは難しいのでは」というもの。

これについては、歴史を見て欲しい、と話しました。①私が就活していた20数年前「女性は事務職です、男性は営業や企画です」と企業人事から正面切って言われた。今、新卒段階でそんなことは言わなくなってきた。②小説「ハックルベリー・フィンの冒険」を読んでほしい。

当時、黒人奴隷を逃がすことは所有者である白人に対する財産権の侵害とみなされた。今、そんなことを言う人はいない。法律も規範も当時と大きく変わったから。

今、当たり前と思っていることは、こんな風に変わりうる。変化を加速するのは若い世代にも責任があるのでは。

その後、高校生のグループワークを見学させていただきました。LGBTQに対する認識の深さ、10代は20代、30代より進んでいるし私やそれより上の世代は高校生から教えてもらった方がいいほど。学校空間における真の平等とは?高校の体育は男女一緒がいいか別がいいか等、とても面白い論点が出ていました。

このように、10代から40代(わたし)が学ぶことがたくさんあることが分かりました。

またジェンダーを巡る課題は、優等生的な話だけでなく、本当はどう思う?という話を事実やデータ交えて話した方がいいなと思いました。