コミュニティ・バスに乗る

 

 冬休み、実家のある街を走るコミュニティバスに乗ってきました。約30年前、母と友人たちが各地を視察して市役所に提案し、様々な人が支援して走り始めたバスです。
 街は南北に長く、北部に駅が2つあります。自家用車がないと公共施設や病院に行き、買い物をするのが難しいため、免許を持たない高齢者が自宅に閉じこもりがちでした。
 約30年前、地元で介護ボランティア活動をしていた母と友人たちは、公共交通手段があれば高齢者が外に出られるのでは、と考えて東京都武蔵野市岩手県大槌町など先行してバスを走らせていた自治体へ見学に行き、市役所に陳情しました。バスが走り始める時には、一緒に活動した友人グループとテープカットをして嬉しそうな写真があります。
  実家では母も父も車を運転するため、私が帰省した時は自家用車で用が済んでいたのですが、一度乗ってみたいと思っていたのです。
 お昼過ぎ、駅前のバス乗り場には10人近い人がいて、4~5歳くらいの女の子がおばあちゃんと話をしながら乗っていきます。「電車とバス、どっちが好き?」「バス」「色んな色があるね。どれが好き?」。
 病院とイオンで多くの乗降客がいて、ほぼ満席のまま市街地を循環するバスの中では席を譲り合ったり「もう年だから病院ばっかり」「孫の顔を見られたから、次はひ孫と思うけど、今の若い人は結婚しないからね」と、世相を反映した会話が交わされていて面白かったです。
 地図に残る仕事を地域の友達と一緒にやりとげたこと、改めてすごいね、と母に伝えたいと思いました。