今日は午後から、所属機関のCenter for the Education of Women(CEW・写真) に顔を出し、担当者のBeth に会って打ち合わせをした。

フルブライトから奨学金をもらえることに決まった後、今年2月にこの機関のVisiting Scholar ポジションに応募した時から彼女と連絡を取っている。ものすごーく親切な人だ。5月の連休に一度会った時、私が8月から調べてみたいことを話しておいたら今回は「会うとよさそうな人リスト」を作っておいてくれた。元CEWの客員研究員で、アメリカ人カップルへのインタビュー経験がある人、ワークライフバランスについて詳しいビジネススクールの研究者などミシガン大学に籍を置く専門家からBeth自身の友達まで、名前とメールアドレス、それぞれの人が何に詳しいのか説明してくれた上で連絡先のメモをくれる。

それが終わると建物の中をぐるっと回り、キッチンや図書館の使い方を説明し、オフィス内にいる人に紹介してくれた。「ハジメマシテ」とか「コンニチワ」と言ってくれる人もいて歓迎ムードが伝わってきて嬉しい。

その後、大学のIDカードを発行してもらいに行く。大学が提供する保険に入りたいと話しておいたので、関連するオフィスに案内してくれる。私はフルブライトの保険にも入っているのだが、大学の保険にも入るようにとフルブライトから強く勧められていた。私は正規の学生ではないので話が複雑になりそうだったが、Bethがあちこちにたずねてくれたおかげでどの書類をどこに書類を提出すれば良いかすぐに分かった。こういう作業を自分1人でやっていたら、面倒で大変だっただろう。

歩いてキャンパス内を回り、ダウンタウンのレストランをいくつか教えてくれて、その後、Social Securityのオフィスへ。「携帯を持っていたら電源を切ってその棚に置いて下さい」と係官に言われる。扉も鍵もない棚で、こんなところに置いておいたら盗まれそうで心配だな思っていると、Bethが「私はこれからオフィスに戻るから、携帯を預かっておいてあげる」と言ってくれて安心する。Social Security の窓口では、面倒なことを聞かれたり入国書類に不備があるのではと予測していたが、幸い何の問題もなく10分もかからず手続きが終了。拍子抜けしたほどだ。

歩いて1,2分のCEWのオフィスに戻り、預かってもらっていた携帯を受け取ると、Bethが「うちの庭に咲いていたから」とヒマワリの花をくれる。「ここのキッチンに花瓶があるから、あなたのオフィスに飾っておくといいわ」。あらためて彼女の親切が身にしみる。CEWのミッションには女性のキャリアを支援することとあるが、本当に私のことをサポートしてくれているのが分かる。外国で新しいことを始めるのは不安だったのだが、こういう人がいると非常に心強い。また、外国語でのコミュニケーションは常に違和感がつきまとうが、心からの親切はちゃんと伝わる。

ちなみにBethには子供が2人いて、勤務時間は週32時間だそうだ。1日約6時間半の計算になる。通勤はクルマかバスで15分。これなら仕事と家庭の両立も可能だ。彼女はミシガン大で医療政策に関する修士号を持っている。高学歴女性が結婚出産後も仕事を続けられる環境がどんなものか垣間見えた気がした。