8日の夜は南フロリダ大学で、約15分のミニ講演をした。


台湾とタジキスタンから来た、2人の教授たちと一緒にそれぞれの国のジェンダー関連の研究や話題を紹介した。私を含め皆、フルブライト客員研究員だ。


私は日本女性の経済的な地位とジェンダー規範について、台湾のラン教授はメイドや子守などを務める移民女性について、タジキスタンのウスマノヴァ教授は中央アジアの女性が常に抑圧されてきたわけではないということについて話した。お客さんは南フロリダ大学の学部生約20人と数人の研究者たち。


これはフルブライトが提供しているOccasional Lecture Programを利用して開催されたセミナーである。米国滞在中のフルブライト客員研究員が、所属する大学以外の人と交流することを目的にしている。訪問先からの招待状をフルブライトに送り認められると飛行機代を出してもらえる。元々、米国滞在中は機会さえあれば自費でどこへでも行こうと思っていたが、こうした機会は非常にありがたい。


昨年11月に、南フロリダ大学のリンダ・ルーカス教授から突然電話があり、この話を受けた。フルブライトは毎年、全米の大学に出身国や研究分野別の奨学金受給者名簿を配布している。ルーカス教授はこれを見てジェンダー関連の研究・調査をしている私たちを招待してくれたのだ。この名簿がなければ、私の存在や関心分野を知ってもらうことも出来なかっただろうから、フルブライトのサポート体制に改めて感謝の念がわいてくる。


セミナー終了後はルーカス教授(フルブライト奨学金でメキシコとウガンダで研究した経験あり)と同僚のヤブナー教授(同じくイタリアでの研究経験あり)や今日の準備をしてくれた学生さん2人と共に夕食に出かけた。


タジキスタンの教授は生後6週間の赤ちゃん連れでしばしば授乳している。こんなに小さい子供を連れて出張ってできるんだ、と感心する。ヤブナー教授は4児の母。台湾の教授は、本国のトップ校で教鞭を執っており、女性の家事負担の重さを描いた"Second Shift"で有名な、ホックシールド教授(カリフォルニア大学バークレイ校)の下で研究をしていたこともある。


肩書きを見ると、偉い研究者だったり学部長だったりするのに、皆すごくフレンドリーで気持ちの良い人たち。私にとってはこの半年間、あれこれ調べて興味を持ったこととつながる話題が次々に出てきて、本当に楽しいひと時だった。


明日からは南フロリダ大学で開かれるジェンダー関連の会議に参加予定。