一橋ビジネスレビュー2009年春号に「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」について2ページの原稿を書きました。


フルブライト留学中に行った文献調査とインタビューをもとに、アメリカのWLBが以下、3つの特徴を備えていることを解説しました。


1)女性だけでなく男性もWLBを考えていること
2) 福利厚生ではなく人材戦略であること
3) 制度だけでなく個別交渉がきくこと


日本でも人材戦略としてのWLBを考える動きが広まりつつあります。


佐藤博樹教授(東京大学)がまとめているWLB推進研究プロジェクトには、資生堂東芝などの大企業が参画しています。これらの企業は「新しい報酬としてのWLB」を進める必要があると考えており、1月中旬に行われたシンポジウムでは活発な意見交換が行われました。特に、不況期のいまこそ社員に自主的な能力開発をしてもらう必要があり、WLBはそのために不可欠であるとの指摘が印象的です。業績が悪いから人を切る、という発想とは対照的ですね。