上海の人はチップを受け取らない。


到着した翌朝、ベッドの枕元に10元(約170円)置いたが手つかずだった。今日は出がけに掃除の女性たちに会ったのでチップを渡そうとしたら「不要、不要!」と頑として受け取ろうとしない。


タクシーもおつりをきっちり返してくる。こちらは中国語を話せないので行き先を書いた紙を渡す。皆、愛想はなく、うんともすんとも言わずに走り始める。たまに道を間違える運転手もいるが、ある程度までいくとメーターを止めてしまう。回り道した分、お金を余分に取ろうとはしないのだ。


レストランでも同じ。上海交通大学のそばにある野菜料理の店(写真)が気に入り、チップ代わりにおつりを受け取らずに帰ろうとしたら、引き止められた。今、店に小銭がないのでちょっと待っててください・・・みたいなことを言う。


みんなこの調子で、決してチップを受け取ろうとしない。サービス業に携わるのは若い女性が多い。皆、すごく真面目に働いているので、チップくらい受け取ってくれたらいいのに、と思うが、米国とは文化が違うのだろう。あちらでは料理がまずくてもサービスがひどくても15%は払わされた。一方、金銭的なインセンティブがなくてもきちんと働く人々のWork Ethicの高さに感心した。街やインフラはまだ開発の余地があるが、この真面目さはお金で買えないリソースだと思う。愛想はないがとにかく真面目なのだ。