昨日、一橋大学で講演しました。


社会学部のジェンダー社会科学研究センターのプログラム「男女共同参画時代のキャリアデザイン」という講義で、約300人が受講しています。オムニバス形式で、経営者、研究者、若手ビジネスパーソンが仕事について語るというもの。講義の企画は東京ガス西山経営研究所


私は「本当に働きやすい会社の見抜き方と作り方」について話しました。今は売り手市場のため、企業はこぞって自社の「働きやすさ」をアピールしています。実際、私が就職した12年前と比べればワーキングマザーも増えてきました。しかし、メディアが伝える企業の先進的な取り組みと実態には乖離があります。内部情報を聞いて「この企業、ひどい!」と思っても、当事者に迷惑がかかるため記事には社名を書けないことが多く、悔しい思いをしてきました。今回は後輩向けなので、だまされて欲しくないと思い、実社名入りでふだん書けないことを喋ってきました。「某社」なんて言っても面白くないでから。


もちろん、働きやすい環境を「与えられる」のを待っていてはだめです。上司や同僚を味方につけ、勤務先と交渉し、自分が働きやすい環境を作るかといったことについても話しました。


さらに自分にとって理想的なワークライフバランスを実現するため、忘れてはいけないのがパートナー選び。いくら良い会社に務めても、保育サービスがどんなに手厚くても、ダメな夫(または妻)と一緒になってしまったら不幸です。男性も女性も自分の志向を真剣に考え、キャリア志向であるなら配偶者と子どもを食べさせる覚悟をもって働くべき。相手に「家庭を守って」ほしいなら、無理してリベラルなふりなどせず、主婦志向の女性を見つける方が正解です。


ところで、一橋大学は男女比がアンバランスなので、男子学生は在学中、なかなか彼女ができずに辛い思いをしがちです。でも、私の友人を見ていると、彼らは結婚市場での価値が高いため30歳前後から急にモテ始めるのです。男子学生は今、好きな子とつきあえなくて苦しくても、10年後に報われる・・・と話したところ、どうもこの部分が一番、うけたようでした。


ちょうど12年前、私は国立キャンパスで家族社会学の講義を受けていました。講義を受け持っていたのは、今、ジェンダー社会科学研究センター長を務める木本喜美子先生。先生から聞いたジェンダーに関する考え方が、何年も経ってから仕事に生きているのが面白く、やはり大学で学んだことは長期的に役に立つと感じます。私の講演を、木本先生も聴きに来て下さってとても嬉しかったです。