今日の午後4時30分から8時過ぎまで、ホームレス向けの食事提供サービスのボランティアをやってみたら、予想以上に楽しかった上、色々と勉強になった。

場所は5階建てのビルの1階にあるキッチン。私を含む6人のボランティアはミシガン大学のインターナショナル・センターを通じてボランティアに申し込んだ。私たち6人に加え、個人的に参加している約5人のボランティアと一緒に5時30分から食事の提供が始まった。食事の準備は私たちより一足早いシフトのボランティアたちが済ませてある。メニューはピザ2切れ(ペペローニとチーズ)、シーザーサラダ、コーン、ドーナツに飲み物だ。

私の担当はカウンターでピザを取り分けること。「ペペローニとチーズ、どちらがいいですか?」と尋ねてから、すでにサラダとコーンが乗っているお皿にピザを乗せていく。サラミが乗っているためか、ペペローニを好む人が多く「2切れ共、ペペローニ」を所望する人が多かった。希望に応えていたら後半3分の1の人にはペペローニがなくなってしまった。悪いことをしたなあと思い「申し訳ないのですが、ペペローニはもうありません」と謝っていたら、コーン盛り付け係のビバリーに「丁寧ねえ」と言われてしまった。"I am sorry" を連発していたので違和感があったのだろうか。

ビバリーはすでに10回以上ここでボランティアをしているので、手慣れている上に多くのホームレスの人々と顔見知りのようだった。彼女はみんなに明るく話しかけているので私も真似してみた。食事を取りに来た人のうち何人かはビバリーや私に「本当にありがとう。あなたたちに感謝するわ」などと言ってくれ、その時、ビバリーは「私もここに来ると幸せな気分になるの」と答えていたのが印象的だった。

ボランティアは人のためにするけれど、自分のためにもいい、というような話を聞くと、これまでは偽善っぽいと思っていた。けれど「元気そうですね」とか「そのサングラスいいですね」とかちょっとしたことでも、ポジティブなことを口にするように心がけていると、確かに気分が明るくなってくる。何となく地域の人と交流してみたいというのと、暇があったので軽い気持ちで参加してみたのだが、思わぬ効用があった。

この日、私たちが食事提供したのは100〜150人。そのうち3分の1がホームレスだという。キッチンの入っている建物と土地は郡政府の所有。建物の中には、キッチンの他に男女別のシェルター、暖を取るためのスペースや医療サービス施設がある。こうしたサービスを手がけているのは地元のNGOだ。食事サービスを担当するのは Food Gathers というNGO。企業やレストランなどで生じる余剰食料品を集めているという。アメリカにも「もったいない」文化があるようだ。