週末はヴァージニアへ。

東京でお世話になった方が親友であるMさんご夫妻を紹介して下さったので、お2人を訪ねて、古都ウィリアムスバーグ(Williamsburg)にお邪魔した。ここはイギリス植民地時代に首都だった歴史ある街。一度はさびれてしまったが1926年から1960年にかけて、ジョン・ロックフェラー2世(John Davison Rockefeller, Jr.)らが趣ある街並みを復元した。

こういう事業が税金ではなくプライベートマネーで実行されることにあらためて驚く。数ヶ月前にウォーレン・バフェットゲイツ財団に3兆円もの寄付をして話題になった。ニュースを聞いた当時は金額が大きすぎてピンとこなかったが、大富豪が資金を提供し政府ではなく民間が公共性の高い事業を手がける構図を目の当たりにしたように思う。

古い街並みを散歩した後、Mさんがヨークタウン(Yorktown)という街に連れて行って下さった。ここで1781年10月に行われた戦いでアメリカ独立戦争が事実上終結した。1776年の独立宣言から5年後の出来事である。ビジターセンターには「独立を宣言することと、実際にそれを達成することは別だ」と書かれており、この戦いがアメリカ人にとってどんな意味を持つかが表れている。

幸運なことに私達が訪れた日曜日には225周年を祝うイベントが開かれていた。独立戦争当時の衣装を身にまとった人々(写真)が集まっていたのだ。大人の男性は兵士の格好を、女性は当時のドレスを着ている。要するにコスプレだ。子供も含めて一家総出で230年前の服装をしている人もいた。

話しかけてみると、中には米国外(カナダ)からの参加者までいた。一緒に写真を撮らせてもらおうと1人の男性に頼んでみたら、快く応じてくれた上「日本人ですか?」と尋ねられた。娘さんがJETプログラムで今、日本に住んでいるという。思わぬ偶然に驚きながらしばらく話をした。コスプレの人々は皆、ボランティア。何もなければただの原っぱにしか見えない草原が、彼らのおかげで観光客にとっては当時の雰囲気を楽しめてありがたかった。