昨夜、グーグルがミシガン大の学生をリクルートにやって来た。

経済学部博士課程に所属する連れ合いに招待メールが回ってきたので、私も一緒に見に行った。会場は経済学部から歩いて3分ほどのところにあるゲームセンター(写真)。キャンパス内にはイベントに使える豪華な施設がたくさんあるのに、あえてゲーセンを選ぶところがグーグルっぽい。

驚いたのは入り口に受付がなく、誰でも出入り自由だったこと。ナムコアーケードゲームに没頭する若者のすぐ隣で、グーグル社員たちが学生と歓談している。普通、企業主催のイベントでは、混乱を避けるため入り口で招待状をチェックしたり名刺を要求されるものだ。

ところがここでは、グーグルが採用の対象としている博士課程の学生たちとそれ以外のゲームセンターの客たちがごちゃ混ぜになっていた。招待されていない人(例えば私)も、用意された飲み物を勝手にもらい、グーグルのロゴ入りシャツを着た社員たちに話を聞くことができた。

ある20代の社員はつい数週間前に転職してきたばかり。以前は硬い業界に勤めていたが、今では全く別の人間に生まれ変わったような気分で「毎日会社に行くのが楽しい」と話していた。

この7月、グーグルはミシガン大学のあるアナーバー市に新オフィスを作ると発表した。この新オフィスは直接雇用1000人、間接雇用1200人を生むと予想される。失業問題に悩むミシガン州では知事がグーグル誘致のため積極的に動いた。今後20年にわたり年間3800万ドル(約45億6000万円)の法人税を免除すると決めている。

地元の期待の大きさと、この日のイベントのリラックスした雰囲気は実に対照的で、注目企業の社風が表れていた。こんな風景を見ることもできるし、キャンパスでは毎日数え切れないほどの公開レクチャーを聞けるし、本当にここは"知のテーマパーク"だ。