今日の午後、Ernst Fehr(エルンスト・フエール)教授のレクチャーを聞いた。


フエール教授はスイスのチューリッヒ大学に所属する経済学者で、実験経済学の権威。『Nature』など理系学術誌にも論文が掲載されている。レクチャーのテーマは「アメリカ人とドイツ人、どちらが人を信用するか」。500〜800人を使って行った実験の手法や結果を説明した。


大方の予想に反して「アメリカ人の方がドイツ人より、他人を信用する」という結果が出た。アメリカ人だけを取り出してみると、白人の方が黒人より他人を信用するそうだ。男女間には有意な差が見られなかったというのも面白い。


実は以前、ウェブサイト上で公開されているフエール教授の履歴書(CV)を見たことがある。アメリカの一流大学(カリフォルニア大学バークレー校やプリンストン大学など)からオファーをもらっていることが分かる。今もチューリッヒ大学にいるということは、彼はこういうオファーを断っているということだ。色んな人のCVを見たが「もらった(けれど断った)オファー」まで書いている人は初めてだ。やっぱり母国のそばを離れたくないのか、それともアメリカ嫌いなのか---。色々予想していたが、今日見たご本人はにこにこと愛想の良いおじさまだった。