アカデミアの仕事=大学の“先生”ではない:前提として


以下、アカデミアの方には自明なので飛ばしてください。


日本で「大学の先生」というと「教育者」のイメージを持つ人が多いと思います。また、実業界で「上がり」になった人が、若い人に好きなことを喋って余生を送るためのポジションだと誤解されることも多いです。


米国では(というか、日本でも本来、トップ校では)「研究者>教育者」。だから、講義をして準備をして、テストやレポートの採点して成績つけて…という「教える仕事」をしながらも「研究」をしなくちゃいけません。ここで言う研究は分野によって違いますが、査読付きの学術誌に論文を載せることだったり、ある種の専門書を書くことだったりします。この仕事をきちんとしないと、本当にクビになります。


本と言っても、ベストセラー本を書くことや、マスコミに出て「大学の先生」として話すことは評価の対象にはなりません。


そういう前提で、なぜ、育児と大学の仕事の両立が難しいのか、記したのが本書です。当然ですが、この種の身辺雑記的なエッセイを書いても、彼女たちの“キャリア上の業績”にはなりません。


この辺の話に興味がある人は『工学部ヒラノ教授』(新潮社)お勧めです。大学の先生の仕事が何なのか楽しく理解できます。