2011-10-12から1日間の記事一覧
最終ページ近くに記されている解決策は2つです。 1)パートタイムの待遇改善 大学で非常勤講師や客員研究員として働くと、低賃金不安定雇用になります。同一価値労働同一賃金を徹底すれば、夫婦揃って短時間労働を選択することもできるようになり、両立が容易…
前に記したように、寄稿者の雇用主や分野に偏りがあるため、単純に一般化はできません。ただ、本書の中でも、数学を使う研究分野の女性たちのエッセイは「アカデミアで働きながら育児することのメリット」を記す傾向にありました。 ある経済学者は、自分で産…
読み進むうちに、米国の大学で起きている妊婦・母親いじめと呼ぶしかない状況に唖然としました。上司に妊娠を告げたら迷惑そうにされたとか、それじゃあ、職を見つけるのは無理だと言われたとか、大学の育児支援制度について教授会に提案したら「そんなもの…
本書で多くの母親研究者が記していたのが「母乳が沁み出てきて困る」という話でした。これは、日本ではあまり聞かない悩みかもしれません。生後数週間は2時間、3時間ごとに母乳をあげることが多いです。少しずつ頻繁に飲む赤ちゃんの場合は、30分とか1時間ご…
米国のアカデミアでは、大きく3つのハードルがあります。1)大学院生時代(PhDを取るまで)、2)安定につながる職を得るまで、3)終身雇用になるまで。 男性の場合、3)に到達しある程度、仕事が落ち着いてから子どもを持つという選択肢がありますが、女性の場合…
以下、アカデミアの方には自明なので飛ばしてください。 日本で「大学の先生」というと「教育者」のイメージを持つ人が多いと思います。また、実業界で「上がり」になった人が、若い人に好きなことを喋って余生を送るためのポジションだと誤解されることも多…
タイトルは「ママ博士」とでも訳すのでしょうか。母親業とアカデミアでのキャリアを両立するのが、いかに難しいか記した本。 日本と共通する問題もある一方、日本の制度の方がいいな、と思う面もあり、色々なことに気づかされます。もちろん、これから米国の…