追記3:フレキシビリティー!フレキシビリティー!


新興国では男女ともに仕事と家庭の両立への関心が高く、主婦家庭の男性も、早く帰って子どもと関わりたいと希望しています。こうしたニーズに対応するため、本書は「時間や場所、総労働時間を柔軟に、制約を取っ払うこと」を提案しています。「毎日8時間(10時間、12時間)、決まった時間にオフィスに来て働くべき」という縛りをなくすことが、ワーク・ライフ・バランスに役立つというのです。方法としては在宅勤務やパートタイム、週のうち数日まとめて働いて休日を増やすことが考えられます。いずれも、米国では既に実践されていることを、いかに新興国現地法人に浸透させるか、という発想。


印象的だったのはシスコシステムズの取り組みで、アジアの拠点でもフレックスワークを広めるため、管理職向けの研修をしたそうです。「アジアは上下関係がはっきりしているから、こういう制度を使うことで生産性が高まると管理職に分かってもらう必要がある」との考えから。制度を作るだけでなく、生産性を高めるため徹底活用しようという意思を感じました。