ストラスブール大学で大崎麻子さんと一緒に講演。麻子さんが日本政府の女性政策について国際的な枠組みを踏まえ包括的にレクチャー。特徴、これまでに達成したこと、今後の課題をとても分かりやすくお話。
その後、私は日本のジェンダー規範が変化してきたことをテレビCM等を見せつつお話しました。
「24時間戦えますか」「亭主元気で留守がいい」の時代に小中学生だった私達は共に長時間労働で家族を支える父親と専業主婦の母親のもとで育ったこと、今では様変わりして、家事をしない男性を描くと批判されること。英国ではジェンダーステレオタイプを再生産するようなCMは禁じられており、実際にクリームチーズのCMが取り下げられたこと、日本の変化を象徴する良い例として「オロナイン」の赤ちゃんを洗う男性の映像を紹介しました。
CM映像は非常に短くハイコンテクストですから、伝わるかな、と気がかりでしたが、日本語学科の学生さんは全部分かっていたようですし、タンスにゴンは"Good Husband is absent and healthy"としておいたら、スライド出した瞬間に笑い声が出ていました。
「日本のシングルマザーの置かれた状況は?」「結婚で重視されるのが、ロマンチックな関係ではなく社会役割なのではないか」「リーダーの世代が変わると、ジェンダー平等も進めやすくなる?」「男性名詞の職業を女性名詞化したら権威が下がってしまった、という議論がフランスではあるが日本はどうか?」等、よく考えられた質問がたくさん出て、時間を40分ほどオーバーしてお話が続きました。
セミナーを運営して下さったサンドラ・シャール先生は「女工哀史」の聞き取り研究を手掛け、日本のメディアにもよく目を通していらしゃいます。